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関西からの同期生と交代して、もう、受かる事のない彼の最初の卒検路上検定が始まる。この時の気持ちは、とてもつらいし、疲れるものだ。何事も経験とはいえ、やり遂げると合格の可能性があるのと、全く無いのがわかってやるのとでは訳が違う。まして、一番やりやすい、一の往路コースを、せっかく、運よく引いたのに。そして、場内が、ことごとく失敗した自信があっただけの、尚更の喪失感。のんきも、二回失意の検定走行をした経験があるし、もしかして、方向変換で落ちたかもしれない。人ごとではないのだ。やはり、誰しも人間である。教習所の出口の坂道で、二回たて続けのエンスト。彼にしては、珍しい。のんきが、今までよく失敗して、彼や教習所のギャラリーに、よく笑われていた場所である。焦りが手に取るように伝わる。ちなみに、ここは検定範囲ではないのだ。路上に出切ってから、検定員の宣告があってからが、検定範囲のスタートである。風雨はますます激しい。横風も強い。ここで、のんきがしておく事は、仮に方向変換落ちかもしれないが、それは考えな
いで、復路重なっているコースの状況を、可能な限り、情報収集して、頭に入れておく事である。まず、教習所から森道にかけては、復路なので、車線は反対側になるが、その状況をできるだけ見て対処方法を考えておく事である。また、臨港道路、市街地四角走行路も、かなり、重なっている。病院や学校がある坂道地帯は重なっていないので、把握できないから仕方ないから、重なっているエリアを重点的にチェックする。状況は路上なので時間とともに変化していくが、あまり変化しにくいもの。例えば、大きく深い水溜まり、横風具合、視界、工事、作業、目標物周囲の状況などは、変化するかもしれないが、駐車車両や、人通り等や、店舗周囲など混雑しがちな場所の状況、森道では、風雨をついて、何人かの作業員が、この日は草刈りをしていた。 ここは、前の検定で、のんきが、ギアミスで、失速して、エンストした場所である。カーブが多く、見通しが悪い上、道幅も狭いし、アップダウンも急な道だ。いつもは、駐車車両は少ない場所だが、たくさんの作業車両が駐車しているし、草も大量に濡れた路上に散乱しているし、要チェックである。教習所からの黄色い中央線の坂道では、よりによって、工事が始まっているし、臨港道路は轍に大きい水溜まりか出来ていた、市街地の四角路の駐車車両も交通量も雨の為、多く、注意が必要だ。横風も全体に強い。目標物周囲の街路樹も揺れ動き、危険だ。視界も悪い。対向車両は、点灯している車両も多い。やはり、待つし緊張も続くし疲れるが、この天候状況では、あらかじめ、少しでも、状況がわかり、把握できれば、それに越した事はない。検定員のペンの動きで、重点的に見ている箇所もチェックする。そんな感じで終点についた。目標物停止が三箇所とも、だいぶズレていた。雨で横窓とサイドミラーが見にくいのが、大きい原因だ。ブレーキのききも悪いし。 検定員が、教習バスを旋回させ、反転させた。そして、エンジンを止めた。交代して、次は、いよいよ、のんきの番である。深呼吸である。強い風雨は続いている。 ![]() |
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